構造物の点検は、現場での損傷の状態を報告・記録するだけではなく、その損傷の進行性や機能に及ぼす影響度など、損傷を取り巻く条件を的確に把握したうえで健全性を評価し、補修・補強対策の必要性を判定する必要があります。
更に、当該構造物の補修内容とその時期を合理的に分析し、中長期的な補修計画も併せた総合的な対策を判定します。
規定の各点検においては、現場で評価区分をしています。
<評価区分>
点検結果の評価は各構造物が持つ機能、特性を理解したうえで行い、安全性、使用性、耐久性、第三者影響度、さらには美観・景観それぞれの観点から損傷の影響度を総合的に判断し、点検評価を行います。
「Ⅲ 機能低下があり、すみやかな対策が必要」に該当する損傷を発見した場合は、さらに損傷の影響度を総合的に評価します。それには、その後の損傷の進行性および損傷が進行した場合の冗長性(リダンダンシー)を総合的に勘案した評価を行い、以後の維持管理を効率的に進める計画を構築し、クライアント(構造物の管理者)に企画提案します。
損傷の状況に応じて、次の補修対策を判定します。
目的:耐久性、使用性、機能性の回復や向上、第三者影響度の軽減ならびに部材や構造物の剛性などの力学的性能の回復および向上のためにとられる対策。
対象:損傷の状況から速やかな対策が望まれるもの、また補修を行なうことに性能の回復が見込まれるもの。
目的:耐久性、使用性、機能性の回復や向上、第三者影響度の軽減ならびに部材や構造物の剛性などの力学的性能の回復および向上のためにとられる対策。
対象:他の中長期的な対策計画と併せた対策により、性能の回復が図れるもの。